
会議で意見がまとまらない、いつまでたっても結論が出なくて困っていませんか?
特に自分がファシリテーター役を務める場合、会議を取りまとめて、結論に導かないといけないですよね。でも、何も結論が出ずに終わってしまうことすら発生してしまうことすらあると思います。

なんとなく人が集まって、話し合いをすれば、意見がまとまるんじゃないかと思っていませんか?
残念ですが、そのやり方だとほぼ失敗します。
会議で意見をまとめる、成功に導くためには、しっかりとした事前準備が必要です。
本記事では、
といった悩みを抱えている方向けに、詳細で具体的な解説をしていきます。
この記事を読み、あなたの職場に適用できそうな方法を是非、試してみてください。
少なくとも、会議で意見がまとまらなくて、途方にくれるということはなくなると思います。
私は、仕事経験20年の中で、ほぼ毎日、会議のファシリテーターをこなしています。合計1,000回は優に超えた経験があります。
その経験の中で、これだけ事前に準備しておけば、ほぼ間違いなく、会議で意見をまとめられるようになりました。
それでは解説します。
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会議で意見がまとまらないのはなぜ?

そもそも、会議で意見がまとまらないのはなぜでしょうか?
主な原因は以下3点です。
それぞれ解説します。
原因①論点が定まらない、話が脱線するから
1つめの原因は、論点が定まらない、話が脱線するからです。
論点とは、議論の中心となる問題点。「論点から外れる」
https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E8%AB%96%E7%82%B9/
「goo国語辞書」より引用
要するに解決しないといけないことが何か、明確になっていないということですね。

そんなことがある?と思う方、いらっしゃるかもしれませんね。
私の経験上だと、ほとんどの会議は論点は明確になっていないと思います。
それだけ、論点を明確にするというのは難しいのです。
対策方法は、対策①論点を明確にするで解説します。
原因②意見が十分に出し切れていないから
2つめの原因は、意見が十分に出し切れていないからです。意見が十分に出し切れないと、議論不十分で会議がまとまらなくなってしまいます。
では、意見が十分に出し切れない状況って、何が原因なのでしょうか?
以下の原因が考えられます。
初対面の人と会議を行う場合、1点目の会議に参加することへの動機付けが難しいので注意が必要です。
対策方法は、対策②意見が十分出し切れるようにするで解説します。
原因③意見が対立しまとまらないから
3つめの原因は、意見が対立しまとまらないからです。
特に利害関係が異なる関係者が参加する会議では、意見が対立しやすいです。また、利害関係が同じでも、意見が対立するこがあります。

以下のような会話を聞いたことないですか?
利害関係が同じであって、意見対立が発生する場合は、目的ではなく手段の話をしていることが多いですね。
対策方法は、③対立した意見の折り合いをつけるで解説します。
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会議で意見をまとめるための3つの対策
会議で意見をまとめるための3つの対策は、以下3つの対策内容です。
- 対策①論点を明確にする
- 対策②意見が十分出し切れるようにする
- 対策③対立した意見の折り合いをつける
それぞれ解説していきます。
対策①論点を明確にする
1つめの対策は、論点を明確にするです。
論点を明確にするに関して、以下3点の解説を行います。
論点を明確にする必要性
論点が決まっていないと、関係者間で何の話をすればよいか、認識がずれてしまうからです。

論点が不明確なまま議論が進むこと、実はよくあるんです!
例えば、以下のようなケースです。
自分がチームリーダーだったとします。
上司からメンバーの残業時間を減らすよう指示があり、部下と一緒に残業時間を減らす方法について議論していたとします。

この状態で意見集約を図ろうとしても、以下のような意見が出て発散してしまうことが多いのではないでしょうか?
No. | 意見 |
1 | 会社の上層部が考えるべき問題を現場メンバーに押し付けているだけでは? |
2 | 役割分担を明確にすれば残業時間減るのでは? |
3 | 役割分担を明確にしたら、自分の仕事が終わったら他の人のタスクを手伝わないのでは? |
4 | 仕事が終わってなくても、帰宅しやすい雰囲気を作ることが大切なのでは? |
5 | 確かに、単純に帰りづらいというのもありますよね |
論点を明確にする方法
次に、論点を明確にする方法を紹介します。

できるだけ、MICEになるように考えていきましょう。ロジックツリーと同じですね。
部下の残業時間を減らすためにどうしたらよいか?という問いに対し、そのためにどうしたらよいかを考えるのです。
最初の問い | どうしたらよいか?(論点) |
部下の残業時間を減らすためにどうしたらよいか? | チーム内の不要な仕事を無くす |
チーム内の仕事の時間短縮を図る |

このようなステップで、論点を明確にしていきます。そうすると、考えやすくなるんです。
論点に対して結論を出す段取
次に、論点に対して結論を出すための段取りを考えます。
先程の例で、考えてみます。例えば、下記のような段取りを考えたとします。
No. | 論点 | タスク |
1 | チーム内の不要な仕事を無くすためには? | チーム内の全ての仕事を洗い出す |
2 | 洗い出した仕事のうち、不要と思う仕事を部下に選ばせる | |
3 | チーム内で話し合い、不要と思う仕事はなくす | |
4 | チーム内の仕事の時間短縮を図るためには? | チーム内の全ての仕事を洗い出す |
5 | 洗い出した仕事のうち、時間短縮するアイデアを部下に出してもらう | |
6 | チーム内で話し合い、時間短縮できそうだと思うアイデアを採用する |
全体の流れは、以下のようになると思います。
打ち合わせ | アジェンダ | 内容 |
1回目 | 残業時間削減の背景の説明 | なぜ、残業時間の削減が求められているのかの理由について、メンバーに説明を行う |
1回目 | 残業時間削減の段取りの説明 | ①メンバーがチーム内タスクを洗い出す ②リーダーが、マージする ③メンバーが、不要と思うタスクを選ぶ ④メンバーが時間短縮案を出す ④リーダーが、上記結果をマージする ⑤不要タスクと時間短縮のアイデアを決める |
2回目 | 不要タスクと時間短縮のアイデアのディスカッション | 部下が用意してきた、不要タスクと時間短縮のアイデアについて、どの案が良いかをディスカッションする
|
合計2回の打ち合わせで、残業時間を減らす案をまとめられそうです。
対策②意見が十分出し切れるようにする
2つめの対策は、意見が十分出し切れるようにするです。
以下3点について、解説します。
会議参加者へ参加することの動機付けを行う
意見が十分出し切れるように、会議参加者へ参加することの動機付けを行いましょう。

私も経験ありますが、なんで自分がこの会議に呼ばれたんだろう?と思った経験ないでしょうか?
会議における自分の立ち位置が分かっていないと発言しづらいですよね。
特に初対面の方を会議に召集する場合、その方に対してなぜ、その会議に出席して欲しいのかを説明する必要があります。
会議の参加依頼をするときに、なぜその会議に参加して欲しいのか、どういう立場で発言して欲しいのかを説明するようにしましょう。
例えば、以下のような文面です。
必要な参加者がもれなく参加できるようにする
意見が十分出し切れるように、必要な参加者がもれなく参加できるようにしましょう。
そのためには、誰が会議に参加する必要があるかを把握しておく必要があります。参加者を把握できていない場合は、必要な参加者を把握できている人に、確認しましょう。
部署名、課名はわかるけど、担当者がわからない場合、該当部署の部長、課長宛てに、〇〇という趣旨で会議を行うので、参加者を指名してくださいと依頼してください。
参加者の確認をしおかないと、結論をくつがえされてしまう可能性がありますからです。

会議を始める前に必ずやっておきましょう。
会議の参加者が会議の内容を理解できるようにする
意見が十分出し切れるよう、会議参加者が会議の内容を理解できるようにします。
会議の内容を理解できていないと、意見を出しにくいからです。
そのために、会議のアジェンダと会議資料を事前配布しましょう。
対策③対立した意見の折り合いをつける
3つめの対策は、対立した意見の折り合いをつけるです。
対立した意見の折り合いをつけるために、以下の順番で対応しましょう。
共通の利益を見出す
共通の利益を見出すとは、利害関係が異なる人同士であっても、見方を変えることによって、お互いにとって利益になることを見つけるということです。
そのために、関係者全員にとって、何が望ましい状態かを考えます。
上記の場合、「顧客が求める品質基準で最速の納期を目指す」のが、顧客、自社(営業部、開発部)にとって望ましい状態です。
「社内規定された品質基準」>「顧客が要望する品質基準」であれば、品質を下げることによって、開発スピードを上げられないかを考えればよいのです。
そもそも何が望ましい状態なのかを考えることで、意見の対立に折り合いをつけやすくなります。
妥協点を見出す
次に、妥協点を見出すことです。
共通の利益を見出したとしても、関係者間で合意に至らない可能性があります。
先程挙げた、営業部と開発部の対立の例で考えてみます。
顧客が求める品質基準で最速の納期を目指すのが望ましい状態です。
一方で、品質を下げることによって、開発スピードを上げたとしても顧客が希望する納期に間に合わなかったとします。

そのときどうするか?
まず、顧客に希望する納期より〇〇カ月遅れることを伝え、了承いただけるかを確認します。
了承いただける場合は、その納期が妥協点です。
了承いただけない場合は、一部業務を自社以外の委託し、納期短縮方法を考えるかなど、別の方法での妥協点を見つけます。
ここまで考えたけど、それ以上に良い解決策はないことが、関係者間で共通認識を持てると、妥協点を見出すことができます。

多分に心情的なものがあるということなんですね。
情報を整理した上で後日仕切りなおす
会議の中で意見がまとまりきらない場合、情報を整理した上で後日仕切りなおすようにしましょう。
情報を整理するとは、一つの論点に対して、複数案を並べ、メリットとデメリットを比較できるようにすることです。
対応案とメリット、デメリットを比較することにより、関係者で共通認識を持てるようになり、議論が進みやすくなるからです。
会議で意見がまとまらず疲れてしまった方へのアドバイス
会議で意見がまとまらず疲れてしまった方へのアドバイスは、以下3点です。
少人数の会議でネゴを繰り返す
1つめは、少人数の会議でネゴを繰り返すです。
関係者を全員集め、意見をまとめるのが難しい場合、少人数の会議でネゴを繰り返し、合意に持っていきましょう。少しずつ、自分の仲間を増やしていくようなイメージです。
この方法は、大きく2パターンのやり方があります。
1つめは、組織の上位者にエスカレーションする方法です。
最初に直属の上司に承認を得て、次に直属の上司の上司に承認を取り付け、というように上位者の承認を取り付ける方法です。
2つめは、横の組織に広げていく方法です。
最初に自分のチーム内の了承を得て、次に他のチームの了承を取り付けるような方法です。
重要論点の話し合いをするような場合、少しずつ承認を取り付ける方が良い場合があります。
1つ注意点があります。
個別調整をしていく中で、利害関係の対立が発生してしまう可能性がありうるということです。
最初に話した内容が次の話し合いでくつがえされるといったことがありえるのです。そうなると、最初からやり直しとなってしまいます。

一概にこのやり方が良いわけでないことを認識しておいてください。
上位者の権限を利用し結論に導く
2つめは、上位者の権限を利用し結論に導くです。
この対策が実施できる条件は、関係者が、上位者の権限配下のメンバー同士であることです。
例えば、部間で意見が対立したときに、それぞれの上司である本部長の権限で意思決定すれば、結論が出せるということです。
意見がまとまらない場合、権限関係がない関係者同士での会議が多いと思います。
どうしても意見がまとまらない場合、上位者の権限を利用する手も考えてみましょう。
期限を設定し緊張感を持たせる
3つ目は、期限を設定し緊張感を持たせるです。
期限を設定することで、時間内に決めないといけないと関係者にプレッシャーをかけるのです。
プレッシャーをかけることで、意見はまとまりやすくなります。
ただ、時間がないからといって、関係者が納得しない状態で強引に決めてしまうと、あとから、くつがえされることもあります。
時間がないからと言って、一方的に結論を決めてしまうようなことはやめましょう。
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会議で意見がまとまらないのはなぜ?状況別3つの対策方法のまとめ
会議で意見をまとめるための3つの対策のまとめ
対策方法のは、以下の通りです。
- 対策①論点を明確にする
- 対策②意見が十分出し切れるようにする
- 対策③対立した意見の折り合いをつける
何を決めるべきかを明確にし、必要な関係者が意見を出し合えるようにし、出てきた意見に折り合いをつけるというステップを忠実に実施するのです。
このステップの中で、どこかのステップを飛ばしたり、消化不良にしてしまうと、意見がまとまらなくなってしまいます。
本記事で紹介した対策を参考に、実践してください。
会議で意見がまとまらず疲れてしまった方へのアドバイス
アドバイスは、以下3点です。
- 少人数の会議でネゴを繰り返す
- 上位者の権限を立てに結論に導く
- 期限を設定し緊張感を持たせる
状況別3つの対策方法を実施しても、意見がまとまらないときに、活用できるテクニックを紹介しました。全ての状況に適用できるわけではないので、状況を見極めた上で、対応してみてください。
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